トラウマの影響

みなさん、こんにちは。

【トラウマの影響について】
今日は、トラウマの影響についてお話ししてみたいと思います。
トラウマという言葉は、ずいぶん一般的になったので、どういうことかご存知かなと思います。
命を脅かされるような体験をしたかどうかが診断基準にありますが、
強烈に怖い思いとか嫌な思いとかした出来事があると、
それが心の中に刻まれて、
その後も長きに渡ってこころに影響を与えるのがトラウマと言われています。
大なり小なりトラウマがない人なんておそらくいないでしょう。
誰もがとても傷ついた思いをしているとは思うので、私だけって思う必要もありません。

【トラウマの影響とは】
このトラウマがどんな風にこころに影響を与えているのか、を知っておくということが大切になります。
特に子どもの頃に与えられたトラウマは、長きに渡って大人になっても、ずっとこころの地下で影響を及ぼしていきます。

「おしいれのぼうけん」という絵本をご存知ですか。
今は子どもが悪いことをしたからって、押入れに閉じ込めるというような時代ではなくなりました。
例えば、本の中では押入れの中に入れられた子どもが冒険をしていきます。
怖い思いを楽しい思い変換していくという絵本ですが、このような変換ができず、子どもの頃、押入れに閉じ込められて怖い思いをした人はいるのではないでしょうか。
閉じ込められた狭い空間、暗い空間、二度と開くことがないんじゃないかと思う恐怖。
それに絡めとられていると、大人になってからも、わかりやすく言えば、例えば閉所恐怖の人です。
エレベーターが怖いとか、電車が怖いとか、自分の力でそこの場所から出ていくことができないんじゃないかという恐怖に結びついている。
そういう症状の出方があります。

あるいは、小学校低学年だとお漏らししちゃった子。
あるいは給食で吐いてしまった子。
そういう子たちが小学校、中学校を通して、すごくそのことに影響されてしまいます。
ものすごい恐怖です。
また漏らしてしまったらどうしよう。
また吐いてしまったらどうしよう。
恥ずかしい思いが付随していますからね。
吐いちゃったとか、漏らしちゃったというのは、恥ずかしいし汚いし、みんなが自分を見たという強烈な体験になるので、大人になっても、いつでもトイレに出て行かれるドアのそばじゃないと座れない人がいます。
給食もいっぱい食べられない。
いっぱい食べると吐いてしまうのではないかという嘔吐恐怖になり、給食がうまく食べられないという子がいます。
これは親の立場にしてみればすごく悩むと思いますが、学校にはこういう子いっぱいいます。
大人になってもいると思います。
電車に乗れないとか、嘔吐恐怖は、子どもの頃、あるいはどこかの時点でその経験をしてしまったことと、その時の体験、感情が結びつきトラウマとなり今も影響を及ぼしてきます。

子ども頃の体験に何十年経っても影響されていることを恥ずかしいと思う必要はありません。
トラウマは根深いものなのです。

では、このトラウマをどうするのということについては、またお話ししてみたいと思います。

2023年09月02日