会社に行くのが辛い
マキさんは最近転職をしました。数回目の転職です。だからこそ「これで最後にしたい」との強い思いで転職活動をしました。
やっと決まった 新しい会社での仕事内容は、今までの経験を生かせるものでした。だからこそ、内定がもらえたときは今までの自分を評価されたと嬉しく思いました。
しかし、私の元を訪れたときのマキさんは絶望の淵にいました。
あんなにいろいろ考えて職を選択したのに。
自分の専門性を嘱望されての入社だったのに。
なんで思うようにさせてくれないのか。
なんで?という自問の連続でした。
最近は、毎朝会社に行きたくない自分と戦わないと出勤できなくなっていました。
「会社に行くのが辛い」
という気持ちのふさぎを抱えてカウンセリングに来られる方は、とても多い印象があります。
「行きたくないって思うこと、あるよね」と、頷かれるのではないでしょうか
不適応状態(適応障害)
その環境にうまく適応できていない状態を、不適応状態と言います。
私たちはなぜ、不適応状態に陥るのでしょうか。
大別すると、他者(環境)の問題の場合と自分の問題の場合があります。
「人のせい」にするのはとても簡単です。自分のせいではないと思う時点で、ちょっとこころが楽だったりもします。他責にする人はカウンセリングにはいらっしゃいません。生きていることに苦しみを抱え、さらに、どうしたらいいのか考えようとされる方がカウンセリングの場にやって来られます。
かといって、自分が悪いことを証明するのがカウンセリングではありません。
精神分析は真の自分の発見を目指します。
どんな自分が不適応を起こすのか、それがどのような自分に由来しているのか、自分を縛ってきた行動や思考の根源はどこにあるのか。
「そういうことだったのか!」
自分で発見するからこそ、何事にもかえがたい経験になるのだと思います。